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森本晃司監督以下総勢228名のスタッフが1080時間もの時を費やし完成させた
GLAY「サバイバル」2.7Dアニメーションバージョン。 本格的に動きだしてから完成まですでに1ヶ月もなかった。 スタジオ全体は森本晃司を中心に凄い勢いで動きだし、 疲れた体と不眠はみんなをだんだんハイにしていく。 全てが終わった今、スタッフから出てくる言葉は「楽しかった」。 「作っている時、幸せだよ」 森本晃司の言葉はスタッフ全員に言えることかもしれない... | |||
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C.G.I.監督 斎藤亜規子 森本晃司作品には欠かせない人。 今までにも「EXTRA」「音響生命体ノイズマン」と多くの作品をともに制作。 コンピュータでの作業には色付け、3Dによるパーツ作成、 それぞれの絵のパーツをシーンに置き動きを付ける カメラワーク設定と多くの部分を占めるが コンピュータによって行われる作業を取り仕切るのがC.G.I.監督。 「サバイバル」では総計80シーンが盛り込まれている。 森本さんの作品ではいつも影とか色とか距離感にとてもこだわります。 その中でも今回は作品のキーとなる水溜まりから湖に広がるシーンや 最初に出てくる部屋での影のアニメーションに特にこだわってますね。 主人公の部屋は置いてある自転車やら本棚、くまのぬいぐるみまですべて3Dで作ら れていたり。 それぞれが主人公の性格を表わす物であったりしますから。 森本さんの作品にはいつも後ろに変なキャラが居たりして発見する楽しみがありま す。 今回も主人公の女の子とぶつかる子供の一人がカエルのかぶり物をしてたり クラブで踊っている女の子を頭にポンポンみたいなものを付けた子がいたり。 次々に展開する部屋を女の子がすり抜けていくシーンの後ろにも変な人が いっぱい居るのでそんなところも見てください。 部屋の中で女の子の殻が壊れいろいろな情報が飛び出してくるところ その溢れてくる言葉にも何か隠されていたり...... 授業中に女の子がやってるゲーム、あれもきちんとゲームになってるから。 森本さんとの制作打ち合わせの中でも出てきたのですが この作品では10代の女の子の虚無感みたいなものがテーマになっています。 虚無とどうやって折り合うか、10代の女の子と自分の感じ方とはまた違うけれども 、 そんな自分が考えていたことを森本さんと沢山お話できたのもよかったです。 スタッフ全員が発展できる、いつも本当に大変なのだけど後味がいい、 森本さんとの制作現場はそんな感じでした。 今までと同じように。 | ||
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D.I.P.担当中島智成 森本さんにはめずらしく身近にあるテーマや風景がでてきて新鮮だった。 | ||
![]() | C.G.I.担当笹川恵介 森本さん自身が楽しんでやっているのでスタッフも一生懸命やれる。 だからやっていてとても楽しかった。 | ||
![]() | C.G.I.担当村上浩 最後まで要求される動きのイメージがわからなかった......のかも。 | ||
![]() | C.G.I.担当佐々木研太郎 今度は森本さんのセリフ付きで観たいなぁ...... | ||
カラースタイリスト 中内照美 背景に合わせたキャラクターの色を決めていくのが色指定。 背景の色味で映る色が全く違う他 キャラクターの動きによっても影の色などが変っていくためそれぞれの色を決定し ていく。 今までの森本さんの作品と色味が違うと言われるけど 使っている色はほとんど変っていない、身近な風景が出てきたからかなぁ? 森本さんの好きな色は赤、緑、黄色、オレンジでなぜか青が嫌い。 (着ている服の中のどこか一部に必ずオレンジが入ってることから、 森本氏を探すポイントになるかも。) でもシーンのキーとなる部分には絶対いつもの色や彩度がでてくるから。 色の変化がいっぱいあって楽しかった。 本当に完成するのかなってドキドキしてたけど。 あっそうそうこの主人公の名前が出てくるところがあるから見つけてください。 とってもわかりにくいところだけど。 あとGLAYらしき人が歩いているところもあるから、 GLAYの看板の他に。 2、3時間睡眠が数週間続くという制作日程だったけど 夜中なんてみんな凄いハイテンションでとっても可笑しかったです。 | ![]() | ||
![]() | C.G.I佐藤光洋 早くカラオケで歌いたい! 高架下でフラフラと歩いてくる女の子のカメラワークとっても苦労しました。 電車が走ってくるシーン、動きに合わせて電車は手書きで書かれていて 作画の凄さを感じました。 栄養ドリンク毎日2、3本飲んで乗り切りました。 | ||
![]() | 動画チーフ梶谷睦子 でき上がってくるキーキャラクターの間の動きを付けて一枚一枚書いていくのが動 画のお仕事。 森本さんの作品ではいつも枚数が多いけれど今回はこのスケジュールの中で4000枚。 多すぎるよ〜 大変だったところ?水溜まりを見つめるシーンかな、大きなサイズのカットだったから。 でもこの作品ではいろいろな所から反応があると思うし森本さんの作品はおもしろいから大変だったけど楽しかった。 途中はひどい頭痛で「まだ死にたくない〜」て唸ってたけど。 また同じスタッフで同じような作品つくりたいな。 | ||
制作 薄金眞 w スケジュールがない!!スタートから時間とクオリティの攻めぎあい。 時間が無い中でクオリティを落とさないようにするには..... そうです。徹夜です。眠らないで仕事をして、会社に寄生するホームレス。 日が昇ってくるとダンボールの上に死体が照らされてきます。 10日に1回、水あびにのみ帰宅。原画の回収等(注1)は車を使うので大好きなお酒 を口にする事はできません。 その代わり煙草は1日60本ぐらいは灰と化します。寝不足で体力が低下してくると虫 歯が痛みだしたりしてさらに眠れなくなったりします。どーどーめぐり。 以上制作義務です。(←オイ) 朝方森本監督とビルの最上階から街並みや遠くに見える山々、大空と空を見ていま した。 朝日に照らされた風景は本当にきれいで吸い込まれそうでした。 徹夜でHiになっている分、妙に感覚が鋭くなって空を飛んでいる錯覚に陥ります。 (気を抜くと空をダイビングしそうだったので、必死にこらえていた、本気で。 飛ばなくてよかったねぇー(笑) サバイバル アニメーションバージョンで出てくる少女が解放されて大空を舞っている時、こん な気分なのかなと少し感傷的になった記憶があります。 サバイバルアニメーションバージョンの中にはそういうSTAFFの制作過程における想いが込めら れています。 映像表現に関する技術的な事も含めて、画面の中から様々な事を感じとってもらえ れば幸いです。 だ・か・ら 買え!見ろ!安いから......。 | ![]() | ||
P.S.STAFFの皆様本当にお疲れ様でした。 注1:スタジオ以外で作業しているスタッフからあがった原画を集めます。 |