森本晃司トークライブat居酒屋エキストラ
beyond-city森本小路北町

なにもらおうか...ええと、とりあえず生3つ。あといつもの串適当に。


浮くよね、ここのビール。






森本さんが初めて見て感銘を受けたアニメって何ですか?

作品はねえ、ディズニーの黄金時代にそれと対抗するものとしてFleischer兄弟というのがいて、
その人達の作品てポパイとかスーパーマンとかがあったんだけど、それが凄いインパクトがあった。それも1コマを使ってるんだけど、ディズニーは凄い教育的、指導のアニメーションというか...それに反してクライスラーはもっと大人のアニメーションという感じでやってることがね。ガリバー旅行記とか、スーパーマンが一番インパクトがあったかな。

どのシーンか覚えてますか?

ロボットがでてくるやつ。

タイトルは忘れてしまったんだけど、それ宮崎さんも使ってるんだよね(笑) 最終ルパンの「さらば愛しきルパン」という話数があって。
その中で出て来るんだよね。ロボットが出て来る話で、オープニングからタイトル出て来るとこまでそっくりなんですよ。カット割まで(笑) その作品は自分も見てて、インパクトがあった。こっちではあまり見られる機会が少ないんだけどね。 でもレーザーディスクがあるから見て欲しいな。 そういうのBeyond-cityで紹介したいね。小さいムービーとかで。

あ、いいですね。

動きもいいんだけど、世界観作りがいいんですよ。
雰囲気がいいんですよ。レトロというか。 昔、ペパームーンとか横浜ミステリーとかのマンガの表紙って夢があった。 ドイツ表現主義というか、メトロポリスとかそんな匂いのする作品なんですよ。

「輝かしいぎんいろの未来」ってやつですね。

そうそう。映画でもそういう表現主義が好きなんで、そういう所が重なってるんです。 「こういうのがあるかもしれないな」という部分で作品をつくってたんだよね。 今はもう科学が進んでしまってるんでリアリティなくて夢が少なくなってきてしまったね。 そういう夢のある作品がつくりたいな、ってFleischerの作品見てて思います。

そういうのっていつ頃から変わってしまったんでしょうね。

やっぱ情報が出てきていろんなこと解るようになっちゃってからじゃないかな。 20年くらいまでのこのアニメーション業界に入るにしても何も情報がないんですよ。学校とかもないし。
今そういうのが反映されて、どこの学校にいったらコレになれるとか明らかになってるじゃないですか。 昔はそういうの解らなかった。
前は親に説明するのも大変だった。
なんじゃそれ、というか(笑)
確かにテレビではアニメーションやってるけれどもあれは違う所でやってるのかとか訳のわからないことを言って(笑)
親戚でもやってる人いないしとか。

わはは

そんな次元の問題じゃないのに(笑)。
情報がほんとになかったんだよ。今はほんと情報がいっぱいあるから。もっと本当はベールに隠れてて面白い部分ってあるじゃない。そういうのが明らかになり過ぎて、こいつもこうなんだ、ってなってるのが夢を小さくしてるんじゃないかなあ。

フルアニメーションについてはどう思ってるんですか?

真面目に答えようか。(笑)

それでは取り敢えず真面目に。

フルアニメーションにはあんまり興味が無いんですよ。 自分の中では3コマだろうが6コマだろうが何でもいいというか。 フルアニメーションであるから出来る、というより3コマでも6コマでも出来る。 1コマだからいいという事もなくて、要は何が作りたいかという事であって3コマでもリアリティがある。 それは演出を含めた事であって、自分が作りたい物を作れればいいなと。要は演出なんじゃないかなと。それを生かすも殺すも。
まぁ1コマ使うとしたら、3コマの中で1コマ使うとか、効果的な使い方をしたいと思う。
最初から1コマと決めてべったりやってしまうと、それでスタートしてしまうと後々キツかったりとか。まぁ本音を言ってしまうと(笑)
でも見てる人は、見出して3分も経ってしまうと1コマ使ってるとか驚きはしないと思う。だからもっと「有効的」に使える方法があると思う。日本のアニメーションというのはテレビアニメーションとかがあって、「有効的」に使ってきたというのがある。
どっちかっていうとそういう使い方をしている方が好きだし、気持ちいいというか小気味いいんで自分はそういう使い方をしていくと思う。ディズニーみたいなオール1コマというのは、もうそういうものが確立してそこにあるんで、そういうのはことさらやりたくないと思う。

モリモトさん世界とか意識して作ってるんですか?
ブルートーンズははたまたまイギリスだったから・・・

いやそういうのはこないね、こないこない
だから電信柱も出てくるしね。

向こうの人が見るとどうなんだろとか、どうなんですか、そのへんは(笑)

それは途中で止めようと思ったんだよね意識するのは。

エキストラとかも全然意識してない?

それはね、「彼女の想い出」をつくってる時に感じた。一生懸命あのロココ調のものを作れば作るほど空しくなるというか、結局「わからない」っていうところに到達してしまうんだよね。「わからないもの」を突き詰めるというのは逆にやればやるほど到達できない所がより解るというか。 自分の中にその空気感もなければ、それを触ったこともなければ見たこともない。取材に行ったりするということもあるし、写真で見て対比的にはわかるんだけど、写真とか映像とかから持ってきてるのはやればやるほど空しくなってくるんですよ。何やってんの、というか(笑)
逆にそれだったら皮膚感とか出しにくいんですよ。だったら自分の好きなアイテムを使ってやったほうが 人に違うものが伝えられるかなという感じなんですよ。
というと「彼女の想い出」というのは転換の作品になったんですか?

リアルが嫌になったというか。作画とかもリアル指向でやってたんで。 でも一つあれをやったということによって、もうやるまいという。(笑)
ロココって最初大嫌いだったんだけど、美術とかも美しいものを華美にくっつけているというか....ムリにね。そういう芸術なんで。
だけどあの作品ではその後に出てくるんですが瓦礫を「瓦礫を強調する為にロココを書きましょう」というカタチで、みんな燃えたんですよ。
瓦礫が書きたいから(笑)。
ロココを書けば書くほど瓦礫がかっこよく見えるという感じで、あれが全部ロココの世界だったらみんなやんなかっただろうと。そういう光と影というのがそこで使えたのが面白いかなというか。

たまたまオペラの人で生活感を出すキャラクターじゃなかったけど、あそこに生活感が入ってきたらシュミレーションが出来ないんだよね。あそこでどういう生活をしてるんだろうかとか。日本のアイテムだと街の中にゴミが置いてあったり洗濯物が干してあったりあるんだけど。
例えばチェコとか行くと街の中にゴミは落ちてないし、洗濯物は干してないし、一個も街に人がいるという気配がない街なんだけど、逆にチェコの人だったらそれでも生活感を感じるというか。こっちから見ると全然わかんない、なんか冷たい街だなと(笑)そういう印象を持ってしまう。 そこで人間の暖かさを出そうかなという時に、多分のそのアプローチが違うと言うか、こっちの日本的な感じ方はまったくもって出来ないな。
やはり日本人は日本語使って表現するというかそういうのがいいのかなと思って。それ以来は出てくるアイテムは身近なものを使おうかなと思ってます。

そういうののきっかけがEXTRAだったんですか?

そうだね。
でもこれから作ろうとしている作品もやっぱり日本的なと言うか、より庶民的というか、そういう作品にしたいなと思ってます。